はなまる耳鼻咽喉科

 

疾患治療に全力を尽くすだけでなく

患者さんとのコミュニケーションも大切にしたい。

 

「はなまる耳鼻咽喉科」院長   中西 律子先生

 

 

中西先生は気さくで優しく、そして大変勉強熱心な先生です。本当の意味で「丁寧な処置」をされ、患者さんから絶大な信頼があります。

病気を見逃さないための設備投資も怠らず、クリニックながらCTスキャン等を導入されています。治癒への方向性をキッチリつけてくれる為、安心して診察を受けてられます。

 

 

 救命救急医志望から

耳鼻科専門医になるまでの紆余曲折

 

――耳鼻咽喉科は眼科や歯科と同じく多くに人にとっては身近な診療科ですが、先生はもともとは救命救急医を目指しておられたそうですね。

「医科大の6年生の時に将来進むべき診療科を選ぶんですが、どの道に進もうか迷いました。内科がいいか外科がいいか、神経内科もいいな、いや整形外科はどうだろうかと、ものすごく迷ったんですね(笑)。そんな時、指導教官から『耳鼻科なら内科的なことも外科的なこともできる』と言われ、卒業後は大学の耳鼻咽喉科学教室に入局しました。

でも個人的に思い描いていた医師像は救命救急医なんです。救命や救急こそが医師として果たすべき役割、貢献すべき分野であると思っていたからですが、耳鼻咽喉科ではそうした夢を実現できないと思い、その教室は1年で辞めてスーパーローテート研修を受けることができる病院に就職したんです」

――スーパーローテート研修とはどういうものですか?

「これは高度急性期から在宅までの幅広い疾病を診るもので、2004年度から新しい臨床研修制度として義務化されたんですが、私はその1年前に研修を受けました。

 研修では2年間で多くの診療科を回り、その取り組みの中で臨床医としてふさわしいプライマリ・ケアに関する基本的な診療知識や技術を修得します。この研修を受けたのは救命救急医こそが医師である、自分もそうでありたい、という個人的なこだわりがあったからだと思います」

――研修を受けられた結果は?

「スーパーローテートでは全身のあらゆる疾患が対象になるんですが、研修を受けているうちに『何か一つのことを極めたいな、、』と感じ、やっぱり耳鼻咽喉科医の道を選ぶほうがいいかな、と思うようになったんです」

――3年前の卒業時に戻ったわけですね。

「そういうことです。そこであらためて専門医になろうと決心し、2005年から別の病院で耳鼻咽喉科の後期臨床研修を受けました。病院の担当部長から『なぜ、耳鼻科を選んだんですか?』と聞かれたので、私は『鼻とか喉とかヒトの器官(孔)を診るのが好きだからです』と答えたことを覚えています。冗談ではなく私自身の素直な気持ちというか、もっとも関心のある分野をストレートに伝えました」

――部長はなんと言われました?

「それは凄いな、と(笑)」

――そこから耳鼻咽喉医としての歩みが本格的にスタートしたわけですね。

「はい。2007年9月に日本耳鼻咽喉科学会から専門医の認定を受けました」

  

 多彩な検査機器を導入し

高い診療精度を確保

 

――クリニックのある泉北ニュータウンは先生にとって生まれ育った場所でもありますが、2015年8月の開院と同時にCT装置を導入されていますね

「当時、この地域にはすでに4か所で耳鼻咽喉科が開院されていて当クリニックは最後発でした。そこで独自の診療体制を打ち出すという狙いもあり、CTを導入しました。

 鼻づまり、鼻炎など受診される人の主訴はさまざまですが、まず疑うのは急性・慢性副鼻腔炎(以前は蓄膿症と呼ばれた)です。しかし、多くの耳鼻咽喉科に設置されているレントゲン装置では正確な診断が難しいことも少なくありません。とくに眉間の奥の炎症の有無の判断は困難です。でもCTなら耳や鼻といった細かい骨の抽出に優れ、情報量も多いため画像が鮮明なので病変部が一目瞭然であり、診断の精度が格段に上がります。耳漏(耳だれ)が主症状となる中耳炎や外耳道炎の場合も同じです。

 導入したCTは横たわって撮影するものと違って着座タイプで、造影剤も用いません。撮影時間も20秒程度で被曝線量が少ないというメリットもあります。事前予約の必要もなく、受診されたその日に撮影が可能なので時間や手間もかかりません。患者さん本位のものであるといえます」

――実際にCTで撮影するのはどんなケースですか?

「初診時に書いていただく問診票に『鼻の不快な状態が長期間続いている』『耳の聞こえがいつもと違う』などの記入があればCT撮影でより詳しく検査します。正常な副鼻腔は空洞なので黒く映りますが、炎症を起こして粘膜に腫れがあったり、膿みが溜まっていたりしていたら白く映るので、その画像を患者さんと一緒に見て鼻や耳の状態をわかりやすく説明するんです。そうすることで患者さんに十分納得していただけるし、医師としても患部の様子を確認して治療に取り組みやすくなります。そういう意味でも診療現場でのCT撮影は有効だと思いますね。

いまのところこの地域でCTを導入しているクリニックはありませんし、泉北ニュータウン全体でも僅かです。撮影頻度は大体1日に3-4件というペースですが、多い時には10件近い日もあります」

――CT以外にもさまざまな臨床検査機器を活用されていますね。

「画像評価という面ではCTだけでなく電子スコープによる直接観察も行っています。これは鼻腔から管状のカメラを挿入して鼻、咽頭、喉頭を観察するもので、肉眼でははっきりと確認できないポリープや粘膜の異常を発見するうえで欠かせません。画像はリアルタイムでモニターに表示されますので患者さんだけでなくご家族にも病態を確認していただくことができます」

――重心動揺計も設置。

「めまい検査のひとつですね。ふらつき方やその程度を数値で表示するものですが、測定結果からそれが耳石や内耳のむくみによるものか、あるいは脳卒中などによるものかを推測します。脳に起因すると疑われる場合はMRI検査が必要となりますので設備の完備した病院を紹介します」

 

花粉症治療に

舌下免疫療法を実施

 

――クリニックには花粉症に悩む人もたくさん受診されると思います。こちらでは患者さんのアレルゲンを少しずつ体内に入れ、徐々に増やしていくことで過敏な反応を抑える舌下免疫療法

(減感作療法)を実施されていますね。

「スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎の根治療法とされるものですが、これも現在、泉北地域に限れば当クリニックだけが対応しているんじゃないでしょうか。花粉症の場合、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎であると確定診断された患者さんだけが受けられる治療法で、以前は12歳以上という年齢制限があったんですが2018年2月から5歳以上も対象となりました。

舌下免疫療法は薬剤を舌の下に挿入して口腔粘膜から有効成分を吸収させるものですが、すべての患者さんに効果が期待できるわけではありませんし、完治までには数年以上、長ければ10年ほどを要します。薬も毎日服用しなければなりませんし、90日単位で処方するので根治療法とはいえ結構大変だと思います。でも自宅で治療に取り組めるのは通院に伴うストレスを緩和するだけでなく、患者さんの生活リズムを乱すことが少ないので、それはプラス面といってよいと思いますね」

 

何よりもコミュニケーションを重視

そこから始まる「はなまる」への第一歩

 

――開院から4年目を迎えられたわけですが、ここまでの取り組みを振り返って医師として心掛けているモットーはありますか?

「受診されるのはお子さんのほか20~30代から年配の方まで幅広いんですが、もっとも重視しているのは主訴をより深く理解するための患者さんとのコミュニケーションです。それは主訴をより深く理解するためですが、問診の中でお話をしていると『胸の痛みを感じるんだけど』『ここの具合がよくないのでどんな病院を受診すればいいか教えて欲しい』という相談もあります。そんな時は疾患について幅広く学んだスーパーローテート研修の経験を生かし、医師として適切なアドバイスで応えるようにしています」

――口コミで受診される人が多いそうですね。

「一度受診された方の紹介で来院される人が少なくありません。タクシーの運転手からこのクリニックを勧められたという人もいます。問診票に『知人の紹介』という項目があるんですが、そこにチェックがあると嬉しくなりますし、そんな患者さんをしっかりとケアし、サポートしなければ、と思いますね」

――最後にお聞きしたいのですが、なぜ「中西耳鼻咽喉科」ではなく「はなまる耳鼻咽喉科」なんでしょうか?

「長女が3歳の時に何気なく『まるまる』とつぶやいたんですが、それがネーミングのヒントになりました。『はなまる』は、はな=鼻、まる=よくできました、というイメージを重ねたもので、鼻がスッキリして調子がよくなればその方のQOL(生活の質)も高くなる…そんな思いも込めています」

 

 

医院名   はなまる耳鼻咽喉科

 

診療科目  耳鼻咽喉科 アレルギー科

 

院長名   中西(なかにし) 律子(りつこ)先生

 

所在地   〒590-0111 大阪府堺市南区三原台123

 

ルルポ泉ヶ丘1階

 

電話番号  072-289-8704

 

WEBサイト http://hanamaru-ent.com/