EXPO2025 世耕 弘成 氏

「大阪・関西万博の成功に向けて」

 

            経済産業大臣 世耕 弘成

 

 

◀ 2018年11月 第164回BIE(博覧会国際事務局)総会誘致決定投票

日本代表団による最終プレゼンテーション

 

 

 

 

 

昨年11月23日、パリで開催された博覧会国際事務局(BIE)総会で、2025年万博の開催国が日本に決定しました。ロシア及びアゼルバイジャンを上回る支持を得て、「大阪・関西」が選ばれたことは、私にとって大きな喜びであります。1970年の大阪万博当時、7歳の小学生だった私は、7回、万博に足を運びました。そこで見た未来のテクノロジーに大きな夢や希望を抱いたことを、今でもよく覚えています。未来の子供たちに夢を与える万博を創る。考えるだけでワクワクします。

 

19世紀に万博が始まった当初は、万博の主な目的は、国威発揚と殖産興業でした。一方、近年の万博は地球温暖化問題などに象徴される地球規模の課題解決への貢献を目指すものに変わってきました。

大阪・関西万博も、誘致選挙において、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を訴えてきました。Society 5.0に向けた成長戦略を一層加速させるとともに、途上国を含めた多くの参加国と共に創る(Co-creation)万博を、多くの国が支持してくれたことが、誘致成功につながったと思っています。

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、真の豊かさを感じられる生き方、それを可能にする経済・社会の未来像を、大阪・関西万博で見ていただくことが、日本を支持してくれた多くの国の期待に応えることになります。特に大阪・関西には、ライフサイエンスやバイオメディカルの分野で、世界トップレベルの研究機関や、多くの関連産業が集積しています。これらの分野の最先端の研究や技術(iPS、遠隔医療、遺伝子分析、医療ビッグデータ解析、予防医学など)が、どのように生活・まち・社会を変えるのか、体験できる場を実現し、「いのち輝く」社会のあり方を考えていきます。

 

また、このような万博のテーマを会場でも具体化するため、万博会場はSociety5.0を体現した超スマート会場とし、社会実装に向けて新しいアイデアや技術が試行される「未来社会の実験場」にします。例えば、AI、ビッグデータなどを活用し、待ち時間や言語の壁といった様々なストレスや制約から解放する、あるいは、防災・減災技術を駆使したレジリエントな会場を整備し、そのノウハウを世界に発信していくなど、万博を通じて、革新的な技術・サービスや社会システムを実証することで、次の時代を創る新たな価値を生み出すことができると確信しています。

 

万博は新たな文化創造、文化交流の場にもなります。万博を契機として、世界の多様な文化や価値観、人々が交流することで、新たなつながりや文化が生まれます。さらに、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会になります。日本各地にある魅力的な観光資源と連携し、インバウンド観光をさらに盛り上げることができれば、地域経済の活性化につながります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに続く、大きな国際イベントの開催は、日本経済のさらなる飛躍にとっても重要な機会になります。大阪・関西万博の直接の経済効果は約2兆円にのぼると試算しています。日本企業の99.7%を占める中小・小規模事業者を含め、より多くの企業に裨益するよう、開催地である大阪・関西のみならず、日本全体の活性化につながるように取り組んでいかなければなりません。

 

約6400万人もの来場者数を記録した1970年の大阪万博を含め、過去5回、万博を開催した日本に対する世界からの期待は大きなものがあります。世界中の人々に夢や驚きを与えるような素晴らしい万博、日本全体を元気にするような万博を実現するため、引き続きオールジャパンの体制で、全力で準備に取り組んでいきます。

 

 世耕 弘成(せこう ひろしげ)氏 経歴

 

生年月日 昭和37年11月9日

出身地  大阪府

参議院議員 和歌山選挙区、当選5回

 

略歴等

昭和61年

早稲田大学政治経済学部政治学科卒業

日本電信電話株式会社入社

平成 4年

米国ボストン大学コミュニケーション学部大学院修了

平成 8年 

日本電信電話株式会社広報部報道担当課長

平成10年 

参議院和歌山県選挙区補欠選挙に初当選

平成13年 

第19回参議院議員通常選挙に再選

平成15年

総務大臣政務官

平成17年

参議院総務委員長

平成18年

内閣総理大臣補佐官

平成19年

第21回参議院議員通常選挙に再選

平成22年

自由民主党幹事長代理(党本部・参議院兼務)

平成24年

参議院自由民主党政策審議会長(政務調査会長代理兼務)

内閣官房副長官(第2次安倍内閣)

平成26年

内閣官房副長官(第3次安倍内閣)

平成28年

経済産業大臣

産業競争力担当、ロシア経済分野協力担当(平成28年9月~)、原子力経済被害担当、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

(第3次安倍第2次改造内閣)

平成29年

経済産業大臣

産業競争力担当、ロシア経済分野協力担当、原子力経済被害担当、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

(第3次安倍第3次改造内閣)

平成29年

経済産業大臣

産業競争力担当、ロシア経済分野協力担当、原子力経済被害担当、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

(第4次安倍内閣)

平成30年

経済産業大臣

産業競争力担当、ロシア経済分野協力担当、原子力経済被害担当、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)、国際博覧会担当大臣(平成3012月~)

(第4次安倍改造内閣)

 

 

 

座右の銘

グローバルに考え、日本人として行動する

趣味

自然に接すること(スキューバダイビング、オートキャンプ等)