医系大学受験リポート

2019年度の国公立大学医学科入試動向

 

2019年度医学科入試の動向について

 河合塾のセンター試験分析(センター・リサーチ)では、国公立大医学科の志願者は前期日程で対前年比97%でした。これは、昨年の93%に続いて2年連続の減少となり、この2年間で国公立大医学科志願者はおよそ1割減少した計算になります。今年の志願者減少幅がやや小さいのは、センター試験の国語の平均点が過去2年よりやや高く、理系生が安定的に得点できたことが大きな理由です。

 ここ数年、医学科志願者は減少傾向とはいえ、その多くは「合否に影響ない下位レベル」の生徒です。入試結果に関係する成績上位の志願者数への影響は、まだ限定的であることには注意が必要です。

 各大学の定員は、次年度まで「臨時定員増」の状況にありますので、まだまだ合格のチャンスはあります。センター試験の得点がボーダーラインまで届いていない人も、果敢に二次試験にチャレンジすれば、合格を勝ち取ることが可能です。そのためには、効率よく効果の高い学習対策を全力で行う必要があります。

 

医学科合格力を着実につけるために

 国公立大医学部医学科に合格するには、センター試験の平均得点率は88%以上、二次試験の成績を示す偏差値では65.0以上が必要です。志願者がやや減少傾向とはいえ、油断はできません。

 合格を着実にするには不安定な分野の力をつけ、同時に答案のクセを直す対策を平行して進める必要があります。自分で「大学の過去問」に取り組む人は多いに違いありません。しかし、合格力アップには「必要な過去問」と「必要でない過去問」があるはずです。それを見極めて効果を上げるには、自分だけで「大学の過去問」を解いたり、学習したりするだけでは限界があります。

受験生の皆さんには、自力学習に時間の資源を使うことにプラスして、指導ノウハウを持った河合塾の教材を強くお勧めしたいのです。河合塾大阪校医進館は、京大、阪大をはじめ多くの医学科に高い合格率を誇ります。「良質な教材」と「的確な指導」を選択することは、受験生の人生の選択にも直結するのではないでしょうか。

 また、医学科入試で必要な面接試験のご指導や、医療用語の解説、グループ討論練習、医進特講など医学科入試には学力以外にも必要なマネジメントが数多くあります。河合塾はトータルサポートで、受験生の皆さんを医学科合格に導きたいと考えています。

 

 

去る1月19・20日に大学入試センター試験(以下、センター試験)が実施された。河合塾の予想する5教科7科目(理系型)総合の平均点は584.6点(900点満点)となり昨年より12.3点も大幅に上昇した。特に得点率8割以上の成績上位者は前年比116%と増加。6~8割の得点率層は前年比100%だが、分布を見るとこの得点率層の中でも右側にシフトし7割以上が増加していることがわかる。(左記グラフ参照)平均点上昇の最大の要因は国語で昨年より17点と大幅にアップ。理系・文系ともに受験する英語・数学・国語の主要教科の平均点アップが、総合の平均点の上昇につながった。ただし、理系では物理・化学・地理Bなど理系生の多くが選択している科目で平均点がダウンしたため、アップ幅が文系の17.4点より小さく12.3点にとどまった。

 河合塾が実施した自己採点集計「センター・リサーチ」の結果では、国公立大医学科前期日程の出願予定者は前年比97%と減少し、年々減少傾向にある。既卒生のみで見ても減少しているので競争の緩和が見込めそうである。

 近畿地区全体での出願者数は、前期日程で前年比93%と大きく減少しているが、当地区での成績上位者は増加していることには注意が必要である。奈良県立医科大学は前年比75%と大きく出願予定者数が減少している。また、近畿地区で募集人員を最も減らした大阪市立大は志願者数も83%に減少した。