2018年度の国公立大医学科入試動向

 

去る1月13・14日に大学入試センター試験(以下、センター試験)が実施された。河合塾の予想する5教科7科目(理系型)総合の平均点は571.3点(900点満点)となり昨年とほぼ同点数となった。センター試験全体では、8割以上の成績上位者が前年比92%と減少傾向である。科目別では英語の筆記は前年並みの平均点であったが、国語の平均点は2年連続のダウンとなった。また、リスニングは難化し2006年にリスニング試験がスタートして以来、最も低い平均点となった。主要科目の英語・数学・国語の合計は約7点ダウンしたが、地歴・公民で平均点がやや上がり合計点では前年並みとなった。

 河合塾が実施した自己採点集計「センター・リサーチ」の結果では、国公立大医学科前期日程の出願予定者は前年比93%、後期日程は88%と大きく減少傾向を示している。センター試験の得点分布を確認すると、医学科ボーダーゾーンにあたる得点率82%~88%にかけて大きく志願者が減少をしており、例年より二次試験で逆転できる可能性を感じさせる。

 近畿地区全体での出願者数は、前期日程で前年比88%と大きく減少しているが、当地区での成績上位者は前年並みであることには注意が必要である。昨年前期定員が増加したために出願者増を予測した警戒感から志望者がかえって減少した大阪大は、今年はその反動で志願者がやや増加した。センター試験の国語配点が高い滋賀医科大は、今年度も国語平均点低下の影響により、昨年に引き続き志願者が減少し、問題傾向に変化があった神戸大も前年比83%と減少している。一方、入試変更点のない大阪市立大は前年比105%と志願者が増加している。和歌山県立医科大は近畿の最終出願大学候補として、2年連続で志望者が増加する様相を見せたが、昨年並の倍率の上昇を恐れて出願者が志望変更したと思われ、逆に前年比65%まで減少した。

 

●国公立大医学科合格に向けて着実な準備を始めましょう

 河合塾 大阪校医進館/医学科進学情報センター長 山口和彦

 

今年の医学科入試の動向について

 

 河合塾のセンター試験分析(センター・リサーチ)では、国公立大医学科出願者が、前期日程で対前年比93%、後期日程では同じく88%と、大きく減少していることが特徴です。全科目の合計点の平均は昨年と変化ありませんが、国語は昨年と同様に平均点が低く、英語のリスニングもやや平均点を下げているなど、一部の科目には特徴がありました。

 今回の入試では医学科志願者が減少した一方で、定員は一部の大学を除いてほぼ前年のままで入試を迎えました。ボーダー会議の際、主な大学の志願者の得点分布を見ると、いくつかの大学では、ボーダーラインのやや下あたりの人数に減少が見られることが多く、これまでの医学科入試に比べて「二次試験で逆転できる」可能性をやや感じます。

 センター試験の得点がボーダーラインまで届いていない人も、果敢にチャレンジすれば、特に今年は合格を勝ち取ることができるかもしれません。そのためには、効率よく効果の高い学習対策を全力で行う必要があります。これまでの年よりも、よりその効果が合否に直結することになるでしょう。

 

医学科合格力を着実につけるために

 

 国公立大医学部医学科に合格するには、センター試験の平均得点率は88%以上、二次試験の成績を示す偏差値では65.0以上が必要です。今年の出願倍率がやや下降傾向とはいえ、油断はできません。

 合格を着実にするには不安定な分野の力をつけ、同時に答案のクセを直す対策を平行して進める必要があります。それには、自分だけで学習したり、大学の過去問を解いたりするだけでは限界があります。合格力アップには、しっかりと研究された教材に触れることが大切です。日常学習から入試直前期まで、集中的に訓練することで、答案作成力を着実にアップしましょう。

ですから受験生の皆さんには、自力学習だけに時間をかけるのをやめ、指導ノウハウを持った河合塾の教材を強くお勧めしたいのです。河合塾大阪校医進館は、京大、阪大をはじめ多くの医学科に高い合格率を誇ります。「良質な教材」と「的確な指導」を選択することは、受験生の人生の選択にも直結するのではないでしょうか。

 また、医学科入試で必要な面接試験のご指導や、医療用語の解説、グループ討論練習、医進特講など医学科入試には学力以外にも必要なマネジメントが数多くあります。河合塾では、これらもすべてご準備し、受験生をトータルにサポートします。