「てんかん」という病気をもっと知るために
~第51回日本てんかん学会学術集会~
2012年4月、京都での軽ワゴン車の暴走があり、運転者を含む8名が死亡、12人が重軽傷を負う事故がありました。原因は運転手の持病であるてんかん(「癲癇」)発作とされましたが、その後も同様の事故が相次いだことからこの病気を抱える人びとへの偏見を生むものとなったように思います。
てんかんはそんなに怖い病気なのか、私たちはこの病気についてどこまで知っているのか…そうした問いかけを受ける形で、第51回日本てんかん学会学術集会では市民公開講座「てんかんをもっとよく知ろう」が開催されました(11月5日。国立京都国際会館)。
公開講座では小児科、内科神経科、小児発達支援学、脳神経外科など様々な分野の専門医の講演があり、テーマも「小児期のてんかん治療」「おとなのてんかん」「妊娠・出産をスムーズに」「学習・発達への影響」「てんかんを外科で治す」「てんかんを食事で治す」「てんかんのある人の心のケア」など多岐にわたり、様々な方向からてんかんという病態の解説と医学的な対応が紹介されました。
各講演後に行われた質疑応答ではご自身が患者で出産を控えている女性、同じ病気を抱えているお子さんについてご家族からの質問が寄せられ、いずれにも専門医から誠実な回答がありました。
てんかんの発作はいつ起きるのかわかりません。そこに患者さん共通の悩みと不安があります。そうした気持ちに思いを寄せることが偏見をなくす第一歩になるような気がします。