医学科志望者は前年並み
ボーダーゾーンで出願予定者増加
去る1月14・15日に大学入試センター試験(以降、センター試験)が実施された。河合塾の予想する5教科7科目(理系型)の平均点は559点(900点満点)と、昨年より3点ダウンした。国語では平均点が大幅にダウンしたが、英語、数学はアップし、アップ・ダウンが相殺される形となった。理科でも平均点は物理でアップ、化学でダウンしており、結果として平均点に大きな変化はなかった。
ここからは河合塾が実施した自己採点集計「センター・リサーチ」の結果から医学科の志望動向についてみていく。国公立大医学科前期日程の出願予定者は前年比99%と前年並みである。ただし、医学科出願予定者の成績分布を確認すると、得点率80%から90%にかけて増加していることがわかる。この成績層は医学科ボーダーゾーンにあたるため、厳しい戦いが予想される。
近畿地区全体の出願予定者は、前期で前年比102%と前年並み。奈良県立医科大、和歌山県立医科大(一般枠)では、出願予定者が大きく増加しておりボーダー得点率のアップを予想する。奈良県立医科大は今春入試が隔年現象の上がり年にあたるため、特に注意したい。後期では、同大は大阪大の後期日程廃止によりこの地区で唯一の後期実施大となる。現時点では大きな増加はみられないが、出願状況に注意したい。他地区でも千葉大(後期)、広島大(後期)などは志願者流入の可能性がある。
中国・四国地区全体の出願予定者は、前期で前年比88%、後期で105%と、前期で減少、後期で増加している。前期では島根大、愛媛大で特に大きく減少しており、ボーダー得点率のダウンを予想する。ほかにも、2次で英語増となる高知大で出願予定者が減少している。広島大は第1段階選抜の倍率を8倍に引き下げるため、狭き門となるが、出願予定者は増加している。