中世繁栄の姿をそのまま残すブルージュと聖血の行列



ベルギー北西部に位置する「ブルージュ」は、水の都。Bruggeとは“橋”の意味で、町を縦横に流れている運河には50以上の美しい橋がかかっています。13世紀から15世紀にかけて、ハンザ同盟の中核都市としてヨーロッパ第1の貿易港でした。現在のニューヨークのように中世ヨーロッパの商業・金融・文化・芸術の中心として繁栄しました。ほぼ原形をとどめる旧市街に現在約2万人が住んでいますが、当時は倍の4万人が暮らしていたことからも当時の繁栄ぶりが想像出来ます。

15世紀に入ると北海と結ぶ運河が沈泥のため商船の航行が出来なくなって衰退し忘れ去られてしまうことになります。しかし、そのおかげで中世当時の姿をそのまま留め、現在に至っています。2000年にブルージュ歴史地区全体がユネスコ世界遺産に登録され、「屋根のない美術館」として世界から年間540万人の観光客を魅了しています。


ブルージュでは「歴史地区」の他に、「フランドル地方のベギン会修道院群」と「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一つとして、3つの世界遺産が登録されています。













【聖血の行列】


毎年キリスト昇天祭の日(2016年は、5月5日)に、市民が、新・旧約聖書の中のエピソードを再現したり、十字軍騎士をはじめとする中世の装束をまとって町中を練り歩きます。このパレードは聖血礼拝堂に納められているキリストの聖血に由来します。伝説では、1150年の第2回十字軍遠征の時、フランドル伯がエルサレムからキリストの聖血を持ち帰ったとされています。フランドル伯は居城近くのブルグ広場に聖血礼拝堂を建立し、聖櫃を納めました。聖櫃を敬う人々が町の城壁周辺を行列する習慣ができました。歴史あるお祭りはユネスコの「無形文化遺産」に指定されています。

●聖血礼拝堂 ブルグ広場に面して立つ礼拝堂で、下部は12世紀ロマネスク様式、上部は15世紀ゴシック様式の建物です。上部には、12世紀に十字軍が持ち帰ったという聖血がまつられています。 




ブルージュ・チョコレート・ギルドの白鳥チョコレート


チョコレートが有名なベルギー。中でも特にブルージュは、「チョコレートの首都」ともいわれる街で、沢山のチョコレート店やチョコレート博物館もあります。

「ブルージュの白鳥」(The Bruges Swan/Brugsch Swaentje)と呼ばれる、ブルージュ市公認のチョコレートがあります。チョコレートギルドに加盟しているショコラティエでのみ購入できます。








お薦めホテル 
Dukes' palace


15世紀の公爵邸を使ったホテル。 ブルージュ唯一の5つ星ホテルで、世界遺産の町ブルージュのまさに中心に位置する理想的な贅を極めた隠れ家的な雰囲気を持ちます。


(情報提供:GTA)